文字書きとはいえない

小説を書き上げるまでの記録

蜜蜂と遠雷を観た。

蜜蜂と遠雷」を観ていた。

感動した。天才ってこんな人たちのことを言うんだと思った。

(以下、ネタバレあります)


あたしは、主人公がいわゆる「チート」な話は小説であれ漫画であれ好きじゃない。

そういうのを見ていると、嫉妬するから。凡人でしかない自分を思い知らされるからだ。(フィクションの中の人物にまで嫉妬するって、大概だと思う)


こんなに腹黒くて劣等感しかないあたしでも、この作品にはそんな気持ちは微塵も感じなかった。天才だらけの、いや、むしろ天才しかいない作品なのに。

観終わった今は、ただただ、清々しい気持ちしかない。

だって、天才4人が誰に対しても嫉妬してないんだもん。認め合ってるんだもん。最後、2位にあの子の名前があって、涙が出た。きっと、彼女は笑ってるはずだ。残りの3人も。ごく、普通に。笑い合ってるんだと思ったら泣けて仕方なかった。

神様はこの4人の音楽家を、全員、愛したんだ。


大人になってからはじめたピアノは、12年やって去年やめた。ピアノを習うことが子供の頃からの夢だった。全然上達しなかったけれど、ピアノの音が好きで続けていた。

なのに、最後の二年半は二次創作ばかりしていて、辞める前半年くらいはほとんど練習をせずにレッスンに通ってた。先生、怒らずによく耐えて下さってたと思う。


手っ取り早かった。

練習しても全然弾けるようにならないピアノ。上達もしないし、誰にも褒められるわけでもないのに、コツコツ続けることに、あたしはもう嫌気が差していた。

そんなときに、たまたま二次創作をはじめたら、うっかり承認欲求が満たされてしまった。そして、あっさりと興味は二次創作に向かった。ピアノより簡単だと思った。今思えば、浅はかにも程があった。どちらも、とても難しいことだったのに。


久しぶりに、録画していた動画を見てみたら、下手くそすぎて、何年やってコレなんだよ!って思ったけれど、ピアノの音は、やっぱり綺麗だと思った。

あたしは、ピアノの音が好きだ。

また、習ってみたい。