文字書きとはいえない

小説を書き上げるまでの記録

タチの悪い二次創作をしていた。

趣味っていろいろあるのに、練習とか訓練とか必要なものを選んでしまったことが失敗の始まりだったんだと思う。

映画鑑賞とか読書とか。

基本的に好きなものだけ選べて、誰かと比較して落ち込んだりせずにすむ趣味もあるのに。

人より秀でたことなんて何一つ持ってないどころか、それを補填するための「努力や継続する力」さえないあたしが「小説を書く」なんてことを「趣味」にしてしまった時点で、こうなることは決まっていた。


いや、違うか。

お話を書くことは、あたしにとって「趣味」ではなかったのだと思う。

趣味は強制ではない。持たなくても生きていける。だからこそ「趣味=好きなこと」でいいんだと思う。練習や訓練が必要だったとしても、ほとんどはその前提として「好き」だという気持ちがあるから続けることができるんだと思う。

では、「書くことが好きだ」と感じたのはどんな時だったのか考えてみたら、


・脳内で見ている風景とか起こっている出来事を文字で表現できた時

・登場人物を通して、自分の感情が動かされた時


いくら考えても、このくらいしか出てこなかった。

でも、これらはたぶん建前だ。

それよりもたぶん、


・誰かに「すごい!」って言ってもらえた時


こっちのほうが正しくて強い。

そして、その「すごい!」は「面白かった」ではなく、「小説書けるなんてすごい」の意味だ。


・小説を書けるあたしってすごい


結局はこれだったんだと思う。

誰かにこう思われたかった。自分には何か出来ることがあるんだと思いたかたった。

そして、そのために人様の作った世界とキャラを利用していただけだ。


あたしは、本当にタチの悪い二次創作をしていた。